元書店員による本の話

【決定版】村上春樹のオススメ小説・エッセイを計20作品紹介!

突然ですが、あなたは「村上春樹」さんの作品を読んだことがありますか?

僕は大学生になってから村上春樹さんの作品にハマっていったのですが、本屋に行くと必ず「ム行」をチェックする病に陥ってしまいました。

村上春樹さんの人を惹きつける文章・独創的な世界観は他の作家を圧倒して存在感を放ちます。

 

 

「読んだことがない」という方は、人生を損しています。

今すぐ本を買って読みましょう。

 

「読んだけど好きじゃなかった」という方は、エッセイを読んだことはありますか?

村上春樹さんのエッセイは小説とは違った魅力に溢れていて、とっても面白いのでとりあえず読んでみましょう。

 

「読んだことあるし好きだよ」という方は、ツイッターで連絡を下さい。

あなたは今日から友達です。

 

 

この記事では、僕が愛して止まない村上春樹さんの小説・エッセイを計20作品紹介します。

また、村上春樹作品には読みづらいものもあったりするので以下の2つのパターンで紹介していきます。

  • 初めて村上春樹作品を読む人向け
  • これまでに村上春樹作品を読んだことがある人向け

これから村上作品を読んでみたい方や、他の村上春樹ファンのオススメ作品を知りたいという方は是非参考にしてみて下さい!

 

MSK
MSK
僕は村上主義者です!!

【村上主義者とは】

ハルキストを超えた村上春樹ファンの名前

まずは、筆者「村上春樹」を紹介

村上春樹さんは京都府京都市伏見区で生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市で育ちました。

早稲田大学に進学したのち、レコード屋やジャズ喫茶に通う日々を過ごし、在学中に自分の店としてジャズ喫茶「ピーター・キャット」を開きました。

ある日、明治神宮野球場でヤクルト×広島を外野席の芝生に寝そべり、ビールを飲みながら観戦していると、小説を書くことを思いつきます。

そして、ジャズ喫茶を続けながら小説を書いていたのですが、作家に集中するため店を人に譲り専業作家の道に進みました。

 

以上が簡単な村上春樹さんの紹介ですが、ジャズが大好きということもあり、村上春樹作品にはジャズの話がよく出てきます。

また、村上春樹さんの作品は「リズム」を大切にしていると言うジャズによる影響が色濃く存在しています。

wikipediaの村上春樹さんのページに作品リストやこれまでの経歴などが非常に詳しく書かれているので、興味のある方はそちらも見てください。

 

さて、今まで村上春樹作品を読んだことがない人向けにオススメの小説とエッセイを紹介していく前に、僕が感じる村上春樹作品のポイント(見所)だけ、お伝えしようと思います。

オススメ作品紹介の前に村上春樹作品のポイント

僕が感じる村上春樹作品の一番特徴的なポイントは「雰囲気」です。

 

リズムの良い会話・独特な比喩・センスの良い言葉選び・ストーリーから感じる情緒、その様な数々の要素を一言でまとめると「雰囲気」になると思います。

村上春樹作品からは、その独自の雰囲気が感じられると共に、その深みにはまっていく気がします。

この「雰囲気」を感じ取り、深みにハマっていくのが醍醐味であると僕は考えます。

村上ワールド独自の雰囲気を感じ取り、その深みにハマるのが良い!

 

また、村上春樹作品の考察サイトや解説本も数多く存在しますが、作品を楽しむだけならそこまで深読みしなくても大丈夫です。

「なんとなく面白かった」「何が言いたいのかよくわからないけど心に残った」

こういった楽しみ方ができれば十分村上春樹作品を堪能しているので、小難しいことは抜きにして作品の雰囲気を楽しみましょう。

MSK
MSK
なんとなく面白いと感じるなら村上春樹作品が好きになるよ!

なんとなく楽しもう!

初めて村上春樹作品を読む人向けのオススメ作品

それでは、今まで村上春樹作品を読んだことがない人向けにオススメの小説とエッセイを紹介していきます。

おすすめ小説

ノルウェイの森

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暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

出典:ノルウェイの森 – 村上春樹

真っ先にオススメしたいのは「ノルウェイの森」という作品です。

数ある作品の中でも非常に有名なので、村上春樹作品を読んだことのない人でも名前だけは知っているかもしれません。

かくいう僕も最初に読んだ村上作品が「ノルウェイの森」なので、これから村上作品を読んでみたいという人には非常にオススメできます。

 

村上春樹作品のほとんどにおいて言えることですが、読了後の「なんとも言えない独特の感じ」が非常に刺さります。

また、「ノルウェイの森」は読みやすいので「なんとも言えない独特の感じ」までたどり着きやすいです。

そのため、「ノルウェイの森」はとりあえず村上春樹作品を読んでみたいと言う人にオススメです!

1Q84

1Q84年――私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれ、主人公青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。

出典:1Q84 – 村上春樹

続いて紹介したいのは「1Q84」という本。

青豆という女性と天吾という男性の2つの視点から描かれるストーリーで、1984年にいたはずなのに周囲が別世界になっている。その別世界の1984年を1Q84年とし、そこを舞台に物語が進みます。

 

単行本だと3冊、文庫本だと6冊とかなりの長編ですが、意外とすんなりと読めてしまう印象を受けます。

読むときの「リズム」を大切にして書かれているなと感じる素晴らしい出来です。

 

また、朝日新聞が発表した「平成の30冊」というランキングにおいて1位を獲得するということもあり、話題に尽きない作品となっています。

海辺のカフカ

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「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」――15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真……。

出典:海辺のカフカ – 村上春樹

次の作品は「海辺のカフカ」です。

会話が多く、スラスラと読めてしまうため長くて苦痛になるといったことはないでしょう。

 

この作品はカフカ少年とホシノ青年・老人ナカタさんペアの視点から描かれていくのですが、個性的なキャラクターたちが繰り広げる物語は予想がつきません。

というか、村上ワールドでは僕たち読者の予想なんてものは意味を成しません

普通だったら「このパターンだと、次はこう来るだろうな」と考える場面でも、全く予想外のシーンにつながっていくことの方が多く感じます。

この不思議な世界観を村上春樹さんの言葉とともに渡り歩く感じが非常に面白いと感じます。

 

ちなみに僕は初めて「海辺のカフカ」を読んだときは、雰囲気やリズムは良いけど何が言いたいのかはよくわからないと感じました。

しかし、 何度か読んでいるうちに新しい物語が見えてきたように感じます。

そういった楽しみ方もオススメです。

騎士団長殺し

騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編(上) (新潮文庫) [ 村上 春樹 ]

一枚の絵が、秘密の扉を開ける……妻と別離し、傷心のまま、海を望む小暗い森の山荘に暮らす孤独な36歳の画家。ある日、緑濃い谷の向こうから謎めいた銀髪の隣人が現れ、主人公に奇妙な事が起き始める。雑木林の古い石室、不思議な鈴、屋根裏に棲むみみずく、そして「騎士団長」――ユーモアとメタファーに満ちた最高の長編小説!

出典:騎士団長殺し – 村上春樹

次は「騎士団長殺し」です。

村上春樹さんの書いた長編小説で最も新しく、つい最近文庫化もされた作品なので、今まで村上春樹作品を読んだことがない方は「騎士団長殺し」から入ってみても良いと思います。

 

また、これまでの作品と比べて物語の展開や流れがわかりやすく、すんなりと理解していける点もポイントです。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

出典:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド – 村上春樹

小説編最後のオススメ作品は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」です。

 

あらすじを読んでわかる通り、この物語は2つの世界で語られていきます。

  • 世界の終り
  • ハードボイルド・ワンダーランド

あらすじだけ読んでも、これらがどう繋がっていくのかサッパリだと思うので、是非一度読んでもらいたい作品です。

 

また、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は作品の締め方(オチ)が絶妙です。

様々な意見はあるものの、作品がこのように終わることで村上春樹さんは読者に何を伝えようとしているのかを考えてみても面白いです。

MSK
MSK
最初に言った通り、雰囲気だけ楽しんでもOK

というか、雰囲気だけでもめっちゃ面白い!

おすすめエッセイ

村上ラヂオ

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公園のベンチで食べる熱々のコロッケパン。冬のゴルフコースをスキーで走る楽しさ——。オーバーの中に子犬を抱いているような、ほのぼのとした気持ちで毎日をすごしたいあなたに、ちょっと変わった50のエッセイを贈ります。柿ピーの諸問題、楽しいレストランでの大惨事(?)から、きんぴら作りに最適なBGM、そして理想的な体重計の考察まで、小さなドラマが一杯!

出典:村上ラヂオ – 村上春樹・文 大橋歩・画

誰にでもオススメできるエッセイ「村上ラヂオ」です。

もともと「anan」に連載されていたエッセイをまとめた本なのですが、4ページで1つの話が終わるのでちょっとした隙間時間にペラペラっと読んでしまいます。

MSK
MSK
「anan」で連載されていた時点で面白いよね、ビックリしたわ!

 

こういう「ちょっと読んで続きは今度」という読み方が好きな人には非常にオススメです。

MSK
MSK
画の雰囲気も、なんだか村上春樹さんのエッセイと馴染んでいて楽しくなる!

村上ラヂオは現在1〜3まであります。

村上朝日堂

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ビールと豆腐と引越しとヤクルト・スワローズが好きで、蟻ととかげと毛虫とフリオ・イグレシアスが嫌いで、あるときはムーミン・パパに、またあるときはロンメル将軍に思いを馳せる。そんな「村上春樹ワールド」を、ご存じ安西水丸画伯のイラストが彩ります。巻末には文・安西、画・村上と立場を替えた「逆転コラム」付き。これ一冊であなたも春樹&水丸ファミリーの仲間入り!?

出典:村上朝日堂 – 村上春樹・文 安西水丸・画

続いて紹介するのは「村上朝日堂」というエッセイです。

内容は非常に様々で、パスタ・アルバイト・豆腐・毛虫・引越しについてなど、なんでもありです。

MSK
MSK
中でも『電車とその切符』という話が好きで、「最近は切符を見なくなったなぁ…」と思いながら読んだり

 

こちらは挿絵がありつつ2ページで1つの話が終わるのがほとんどなので、村上ラヂオよりもあっという間に読み終えてしまいます。

電車の移動中や授業の空き時間、カップ麺のお湯を捨てるまでの間やパスタを茹でている間に読むのも良いかもしれませんね!

使いみちのない風景

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僕らの中に残っているいくつかの鮮烈な風景、でもそれらの風景の使いみちを僕らは知らない―無数の旅を重ねてきた作家と写真家が紡ぐ、失われた風景の束の間の記憶。文庫版新収録の2エッセイを付す。カラー写真58点。

出典:使いみちのない風景 – 村上春樹・文 稲越功一・写真

風景写真とともに独特な村上春樹さんの文章が楽しめる「使いみちのない風景」という作品。

休みの日にぼんやりと「使いみちのない風景」を読んでいると、「あぁ、今度ふらっとどこか行ってみよう」という気分になります。

ページ数が少なく、写真が大きく載っているのですぐに読み終えてしまいます。

「活字が苦手だ!」という人は、この作品を読んでみると楽しめるかもしれません。

うずまき猫のみつけかた

アメリカのケンブリッジに住んだ1993年から1995年にかけての滞在記。ボストン・マラソンに向けて昂揚していく街の表情、「猫の喜ぶビデオ」の驚くべき効果、年末に車が盗まれて困り果てた話、等々なごやか(?)なエピソードの中に、追悼特集で報じられたニクソン元大統領の意外な一面や、帰国後訪れた震災後の神戸の光景がキラリと光る。水丸画伯と陽子夫人が絵と写真で参加した絵日記風エッセイ集。

出典:うずまき猫のみつけかた – 村上春樹・文 安西水丸・絵 村上陽子・写真

今まで紹介したエッセイと比べると読み応えのある「うずまき猫のみつけかた」です。

本の途中に挿絵や写真があるものの1つの話が10〜20ページくらいなので、エッセイといえども少しくらい読み応えのあるものが良いという人にオススメです。

また、エッセイの内容がアメリカでの滞在記なので、「海外についてのエッセイが好きだ」という人にもピッタリです!

ランゲルハウス島の午後

まるで心がゆるんで溶けてしまいそうなくらい気持のよい、1961年の春の日の午後、川岸の芝生に寝ころんで空を眺めていた。川の底の柔らかな砂地を撫でるように流れていく水音をききながら、僕はそっと手をのばして、あの神秘的なランゲルハンス島の岸辺にふれた―。夢あふれるカラフルなイラストと、その隣に気持よさそうに寄り添うハートウォーミングなエッセイでつづる25編。

出典:村上朝日堂 – 村上春樹・文 安西水丸・絵

エッセイ編最後のオススメ作品は「ランゲルハンス島の午後」です。

この作品は2ページ文章があった後、2ページ大きく挿絵が入っているのですぐに読み終えてしまいます。

 

本棚になんでもないように置いといて、読もうとしたときにサクッと読む。

あっという間に読み終わってしまう分、今まで何度も読み返した作品です。

 

読み応えのある小説に疲れた時は、こういったサクッと読めるエッセイに手を伸ばしてみるのも良いものです。

これまでに村上春樹作品を読んだことがある人向けのオススメ作品

ここからは、今までに村上春樹さんの小説やエッセイを読んだことがある人に向けて僕のオススメ作品を紹介していきます。

すでに読んだことがある作品を紹介するかもしれませんが、何度も読み返すことで新しい発見や気づきがあることも村上春樹作品の楽しみ方の1つなので、是非この機会読み直してみて下さい!

おすすめ小説

風の歌を聴け

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1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。

出典:風の歌を聴け – 村上春樹

村上春樹さんのデビュー作「風の歌を聴け」です。

全体的に会話文が多く、ページ数も少ないため読みやすい作品です。

内容としては恋愛要素多めという感じではなく、なんとも言えない寂寥感に包まれた青春の様なものを感じます。

MSK
MSK
うまく言えないけれど、久しぶりに読むとなんだか胸が詰まる様な気持ちがする

しかし、その寂しさの中には不思議な温かみの様なものが混ざり合います

この不思議な感じが村上春樹作品の一番魅力的なポイントだと思わされる作品です。

 

また、比較的最近の作品から村上春樹作品を読み始めた人にとっては文体の違いも楽しめる要素です。

作家としてデビューしたばかりの村上春樹さんの文体を楽しむのも楽しみ方の1つでしょう。

↑実際に僕の持っている文庫本はこれくらいの厚さです。

MSK
MSK
村上春樹作品の小説の中でも短めだから読みやすいよ!

ねじまき鳥クロニクル

ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜を始める。暴力とエロスの予感が、やがてあたりを包んでいく。誰かがねじを巻きつづけなければならないのだ、誰かが。1984年の世田谷の露地裏から1938年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、ねじのありかを求めて探索の年代記は開始される。

出典:ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編 – 村上春樹

次に紹介するオススメ作品は「ねじまき鳥クロニクル」です。

この本は比較的理解が難しく、かつストーリーが長いため、最初の一冊にはオススメしません。

 

しかし、村上ワールドに慣れてきたら一読する価値アリの作品です。

あらすじに書いてある通り、「暴力とエロス」が作品中に登場します。

村上春樹さんは「悪」や「性」について表現することが多いですが、そこに込められた意味・読者へのメッセージはどういったものなのか。

「ねじまき鳥クロニクル」を読まずして村上ファンは名乗れません!

女のいない男たち

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舞台俳優・家福をさいなみ続ける亡き妻の記憶。彼女はなぜあの男と関係したのかを追う「ドライブ・マイ・カー」。妻に去られた男は会社を辞めバーを始めたが、ある時を境に店を怪しい気配が包み謎に追いかけられる「木野」。封印されていた記憶の数々を解くには今しかない。見慣れたはずのこの世界に潜む秘密を探る6つの物語。

出典:女のいない男たち – 村上春樹

次は「女のいない男たち」という作品です。

この作品は短い6つの物語によって構成されているため、長編小説が苦手だという方でも楽しめます。

MSK
MSK
短編小説ってやつ!

 

また、村上春樹作品といえば女性が出てきてセックスをするイメージが強い気ですが、この作品は特殊かもしれません。

何と言っても「女のいない」という点が珍しいです。

物語的に女性が登場することはありますが、具体的にどう「女のいない」になるのか。

そういった点を予想しながら読んでみるのも面白いでしょう。

国境の南、太陽の西

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今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われて―。日常に潜む不安をみずみずしく描く話題作。

出典:国境の南、太陽の西 – 村上春樹

次に紹介するのは、あらすじから村上ワールドをヒシヒシと感じることができる作品「国境の南、太陽の西」です。

「ーたぶん。」というのが最高に村上ワールド感! たまりません!

 

作品としても非常に面白いのですが、僕の周囲の村上春樹読者では「国境の南、太陽の西」を読んでいる人をあまり見なかったので、今まで読んだことがなかった方は是非この機会に読んでみましょう!

アフターダーク

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時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編。

出典:アフターダーク – 村上春樹

小説編最後のオススメ作品は「アフターダーク」です。

 

村上春樹作品で何が一番好きかという質問に対して「アフターダーク」と答える人はあまり見かけませんが、個人的に一番好きな作品です。

「アフターダーク」という名前通り夜間に進行する物語なのですが、一体夜の間に何が行われるのか。

気になりますよね?

 

また、楽しみ方の1つとして深夜(0時付近)に読むことをオススメします。

深夜に読むと「作品の世界」と「僕たちの住む現実世界」がどこかで繋がっているかのような気がしてきて不思議な気持ちになります。

 

村上ファンでも読んだことがない人が結構いるので、読んだことがない人に向けて強くオススメしたい作品です!

 

余談ですが、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンド)にアフターダークという作品がありますが、そちらは宮沢賢治の「よだかの星」という作品をモチーフにした楽曲です。

村上春樹さんの「アフターダーク」は関係ないらしいです。

MSK
MSK
残念!

おすすめエッセイ

雨天炎天

「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ――。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く!

出典:雨天炎天 – 村上春樹

さて、続いてオススメのエッセイ編ですが最初に紹介する作品は「雨天炎天」です。

 

この作品は、村上春樹さんがギリシャとトルコに旅へ行った話です。

異国の地を旅することに憧れがあったりする人にオススメです!

辺境・近境

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久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町…。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃!旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。

出典:辺境・近境 – 村上春樹

次も旅行記の1つ「辺境・近境」です。

 

この作品は、先ほどの「雨天炎天」とは異なり、様々なところへの旅(日本国内含む)が描かれています。

中でも面白かったのは「讃岐・超ディープうどん紀行」という話で、思わずうどんを食べたくなってしまう内容でした…!

村上さんのところ

村上さんのところ (新潮文庫)[本/雑誌] (文庫) / 村上春樹/著

春樹さん、こんなことも聞いていいですか? 世界中から集まった質問は何と 3 万7465通。恋愛・人間関係・仕事など悩ましい人生のモンダイから小説の書き方、音楽や映画、社会問題、猫やスワローズまで、怒濤のメール問答は119日間、閲覧数1億PVに及んだ。可愛くてちょっとシュールなフジモトマサルのイラストマンガを多数加え、笑って泣いて励まされる選りすぐりの473通を収録する!

出典:村上さんのところ – 村上春樹

次は「村上さんのところ」という作品です。

この作品は今までとはテイストが異なり、世界中から寄せられた村上春樹さんへの質問に本人が答えていくというものです。

この本は村上春樹さん自身に興味がないと楽しめないと思うので、「我こそは村上ファンだ!」という人にオススメです。

MSK
MSK
僕みたいな、ね!

ポートレイト・イン・ジャズ

和田誠が描くミュージシャンの肖像に、村上春樹がエッセイを添えたジャズ名鑑。ともに十代でジャズに出会い、数多くの名演奏を聴きこんできた二人が選びに選んだのは、マニアを唸らせ、入門者を暖かく迎えるよりすぐりのラインアップ。著者(村上)が所蔵するLPジャケットの貴重な写真も満載! 単行本二冊を収録し、あらたにボーナス・トラック三篇を加えた増補決定版。

出典:ポートレイト・イン・ジャズ – 村上春樹

次に紹介するのは「ポートレイト・イン・ジャズ」という作品です。

 

こちらは先ほど紹介した「村上さんのところ」とは一転して、村上春樹さんに興味がなくてもジャズに興味があれば楽しめる作品となっています。

また、今まで村上ワールドに触れてきた人ならジャズに興味を持っていてもおかしくありません。(…興味持っちゃいますよね?)

もし「ジャズの世界に触れてみたい!」と思っているのならば、これ以上ないほど楽しめる作品となっています。

MSK
MSK
ペラペラめくって気になるアーティストの楽曲を流しながら村上春樹作品を読む…。

いい感じに村上ワールドに浸れるのでお試しあれ!

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは? 『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか? 蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々――。芳醇かつ静謐なエッセイ。

出典:もし僕らのことばがウィスキーであったなら – 村上春樹

エッセイ編最後に紹介するオススメ作品は「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」です。

 

タイトルからわかるようにウィスキーの話になっています。

写真の割合も結構を占めるので、文字が苦手な人でもサクッと読める内容になっています。

特にお酒が好きな人にとっては非常に面白い話になっていることでしょう。

ウィスキーやお酒に興味がなくても楽しめるので、是非一度読んでもらいたいオススメの作品です!

 

ちなみに、僕は村上春樹さんの書いたエッセイの中では「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」が一番好きなのですが、理由はうまく説明できません。

皆さんも「理由はわからないし説明もできないけど、何となくこの作品が好きだ!」と思える作品に出会えることを願っています!

【まとめ】村上春樹のオススメ作品

初めて村上春樹作品を読む人向けのオススメ作品

【小説編】

  • ノルウェイの森
  • 1Q84
  • 海辺のカフカ
  • 騎士団長殺し
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

【エッセイ編】

  • 村上ラヂオ
  • 村上朝日堂
  • 使いみちのない風景
  • うずまき猫のみつけかた
  • ランゲルハンス島の午後

 

村上春樹作品を読んだことがある人向けのオススメ作品

【小説編】

  • 風の歌を聴け
  • ねじまき鳥クロニクル
  • 女のいない男たち
  • 国境の南、太陽の西
  • アフターダーク

【エッセイ編】

  • 雨天炎天
  • 辺境・近境
  • 村上さんのところ
  • ポートレイト・イン・ジャズ
  • もし、僕らのことばがウィスキーであったなら

まだまだ紹介したい作品はたくさんありますが、続きは別の機会にするとしましょう。

村上春樹作品を読んだことがない人は、とりあえず読みやすそうな小説や気に入りそうなエッセイから入ってみましょう。

あっという間に村上ワールドの魅力にとりつかれること間違いなしです!

 

村上春樹作品を読んだことがある人は、まだ読んだことのない作品や今までに読んでことのある作品を読み返してみても良いでしょう。

まだまだ広がり続ける村上ワールドから目が離せません!

 

 

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